純情、恋情、にぶんのいち!
ホームルームと放課後の狭間の、中途半端な時間だからか、保健室には誰もいなかった。
女の子と一緒に使うこともある保健室のベッド。
こういうコの隣でそれを見ると、罪悪感にも似た気持ちが、胸の奥で疼く。
「ユミ先生、呼んできますね」
保健のユミちゃんとも関係を持っていると言ったら、チィちゃんは、いったいどう思うのだろう。
「……いいよ、大丈夫」
「え、でも……」
「それよりチィちゃんが傍にいてよ」
彼女は少し戸惑った顔をしつつ、小さな声で「はい」と答えた。
……ああ、目が回る。吐き気がする。頭も痛い。
心配そうな顔でおれを見つめるチィちゃんから逃げるように、目を閉じた。
「……ごめん」
「え?」
「もう帰るところだったんだろ?」
「そんなこと病人さんは気にしなくていいですよ」
オレンジにくすぐる光に目を開いたら、やわらかい日差しが視界を包んで、その中心に、チィちゃんがいて。
本物の、天使だと思った。
地上に舞い降りた天使そのものだ、と。
こういうコほど、大事にしたいと思うし、衝動的に、壊したいと思ってしまう。
だっておれは、こういうきれいなコに、きれいな気持ちをもらえるような、無垢な存在ではないから。