純情、恋情、にぶんのいち!


「それともチィちゃんのは、ただの憧れ、みたいな?」


そう、だ。

とーご先輩は、入学した当初からカッコイイと噂で、女子みんなが騒いでいて、優しくて、爽やかで、キラキラまぶしくて、高貴な身分の王子様で……


「……とーご先輩は、ほんとうに、もんのすごーく、ありえないくらい、素敵な人だと思います」

「あー、はいはい、なるほどね。それは恋愛としての好きってことじゃないわけね」

「だって、そんな、わたしなんぞがとーご先輩を好きだなんてめっそーもないです!」


ヤス先輩の目が涼しげに細くなった。

いつもと少し違う、甘さはあまりない笑い方だと思った。


「そっか。じゃ、おれが頑張っちゃおうかな?」

「が、がんばる、とは……」

「んー? だから、おれがチィちゃんにアタックしちゃおうかな、って」


自然に腕を取られて、手の甲に、ちゅっとキスされた。


「っ……!? な、なな、なななな」

「えー、そんなに嫌がらなくてもいいじゃん」


ちがう。

こちとら、こういうことにはめっぽう慣れていない村娘Aなので、嫌がる余地すら持ち合わせていないのだ。

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