Jelly Beans
「違う夢って?」

あたしの頭をクシャクシャって撫でる。

最近のモ-リはすぐあたしを子ども扱いする。

「それは、ん~内緒。叶ったら教えてあげる。」

「そこには俺はいるの?」

「当たり前、いなくちゃ困る。でもね、すぐにかなうのはちょっと困るかな?」

「ずるいぞ、教えろよ。」

あたしの腕をグイと引っ張って、

あたしはモ-リに抱きしめられる形になった。

「モ-リの方がずるい、あたしモ-リの夢なんて知らないもん。」

「今更、夢なんてないし、あ、あったか。」

「え、何?」

モ-リを見上げたあたしに

フッと笑って、

「内緒。」

と意地悪そうな顔をする。

ムッとして、モ-リを押し戻して

「意地悪っ。」

と膨れると。

クスクスと笑いながら

「いちごを幸せにすることだよ。」

なんていうから、怒っていいんだか喜んでいいんだかわからなくなった。



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