ほんの少しの勇気があれば


中学2年のバレンタインデー




「大沢くんに渡すのに、一緒について来て」

と理沙に言われたけれど、


「1人で行かないと意味ないよ?」

と、断った。



そう思っていたのは本当のこと。

だけど、本音を言えば、見たくなかったの。



大沢くんが、誰かにチョコを受け取る場面なんて、見たくない。


少し照れながら、少しはにかみながら、受け取るんでしょ?



そんな大沢くんなんて、見たくなんてないの。




だって、

本当は、私も大沢くんにチョコを渡したいから。

許されることなら、自分の気持ち伝えたいから。


だけど、出来ないから。


冷静になって考えてみた。


もし、理沙がいなければ、私は、大沢くんにチョコを渡すの?って。


考えて、考えて出た答えは

きっと無理


< 10 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop