ほんの少しの勇気があれば
今のこの関係が気まずくなるのは嫌だから。
だから、勇気が出ないの。
理沙がいるから無理とか、言っているけれど、本当はそうじゃない。
本当は、嫌われるのがこわいから。
話できなくなるのがこわいから。
だから、告白する勇気が出ない。
私の好きって、たったこれっぽっちのものなのかな?
そう思ったら、バレンタインにチョコを渡そうとしている理沙は凄い。
その気持ちで、私は、理沙に負けているんだ。
誰よりも大沢くんが好きだなんて心の中で思っていても、本当はそうじゃない。
臆病で、弱くて、好きって気持ちも、誰よりも小さいんじゃないかな。
こんな想いじゃ、好きになったなんて胸張って、言えないよね。
次の日、理沙との会話には昨日のことは一切出てこなかった。
理沙が言い出さないから、聞くこともできなくて、
結局、大沢くんが受け取ったのかどうか分からないまま、月日は過ぎていった。