ほんの少しの勇気があれば
苦手だった
周りに騒がれている大沢くんは、苦手で、むしろ嫌いに近かった。
近寄りがたくて、なんか恐くて。
だけど、あの日……
1人黙々とシュート練習している大沢くんを見て、やわらかな笑顔を見せる大沢くんに恋をした。
「だから、今でもずっと好きなままなんでしょ?」
全てを見透かされているようなその言葉に、こくりと大きく頷いた。
「しないの?告白」
そう聞かれて答えられなかったのは、
告白したいって思っていたから?
いつまでも、このままの関係でいちゃだめだって、どこかで思っていたから?
頭の中では、そう思っているのに、いざとなると勇気が出ないから。
「あの頃とは違うんだよ?」
分かってる?
って言うように理沙が言う。
「もう、私に遠慮することなんてないの。それに、大沢くんと話す女の子もアカリだけじゃないでしょ?違う?」
そう、
理沙の言う通り
高校に入ってから、大沢くんに話しかける女の子は多くて、話しかけられたら返事をする大沢くんがいるんだ。
あの頃とは違う。私だけが、特別なんかじゃない。