ほんの少しの勇気があれば
2月14日
大沢くんを好きになって、三度目のバレンタインデー
今年こそ、自分の気持ちを伝えます。
もう、逃げたりしない
後悔したくないから
放課後
部活後、制服に着替えた私は体育館へと急いだ。
大沢くんは、部活が終わっても1人残ってシュート練習をする人だから。
あの頃と何も変わらず、一生懸命で誰よりも努力している人だから。
“ボンッ、ボンッ…”
静かな体育館に大沢くんがドリブルしている音だけが聞こえる。
そっと体育館の扉を開けると、あの頃と同じように1人黙々とシュート練習をしている大沢くんの姿があった。
あの頃好きになった大沢くんが、ここにいた。
“カツンッ!ボンッボンッ……”
シュートしたボールがリングに当たり、ボールは跳ね返り、コロコロと体育館の入り口にいる私の方に向かって転がってきた。
ボールを追った大沢くんと目が合った。