バレンタイン・キッス

*川村はそれでいいの?

「というわけで。バレンタインまで残り1か月となりました」

が、しかし。
目の前に広がる惨事に驚愕しているところである。

私の家で千夏とお菓子作り。
当日に作るのは怖いからと、予習がてら作ってみたは良いけどひどいものです。


散乱した卵の殻。
あらゆる所に飛び散ってるチョコレート。
粉まみれの台所。
目の前にはぷすぷすと音を立てて焦げた匂いがする謎の物体。

一体、どうしたらこうなった?


「…何作ろうとしたの?」
「フォンダン…ショコラ……だったんだけど」
「爆発後みたいな形してるけど」
「…なんでだろうね?」

ハハッと乾いた笑いがでる。

レシピも見ながら作ったのにっ!
普段料理をしないにも程がある!

混ぜるだけ超簡単レシピだったんじゃないのっ?!


「目分量で測るからそーゆうことになるんだよっ」
「大体じゃできないの?!」
「普通のご飯作りと違ってお菓子はちゃんと測らないと失敗することがほとんどだよ!!」


ブチギレながら台所を吹き上げる千夏に頭が上がらない。

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