ＬＯＶＥ・ＫＩＳＳ

「イツ‥キ？」
私は言葉を失ってしまった…。

そう、そこにいたのは人間じゃなかった！吸血鬼？

（どうして！体が…動かない…。）

逃げようとしたが、私の体はまるで…金縛りが掛かったみたいに動かなくなってしまった。

「イツキ？…イツキなの？」
私が聞いても相手は返事をしてくれなかった…。

しばらくしてからの事だった、相手が私に…「お前が…藤波春歌…かっ！」と聞いて来たのだ。

「どうして、私の名前を？…あなたは、イツキなの？」
聞かなければいいのに…幼かったからなのだろう、でも…この時私が聞いていなければ…これから先の未来も…ずっと、幸せだったのだろう…。



数分くらい立ってから、私は書庫で目を覚ました…。

あの後、自分の身に何が起きたのかすら、覚えていなかったのだから…。


でも、一つだけハッキリ言える事がある…イツキが居なくなってしまったと言う事を…。