惑溺
ただ興味があったから。
だから、私の事を抱いたの……?
「そんな、ひどい……」
思わず彼を一方的に批難するように眉をひそめた私を見て、リョウが楽しげに小さく笑った。
その手を伸ばし、私の手を乱暴に掴んだ。
「ひどい?俺が?
別に先生に言うつもりなんてないし、幸せなふたりの仲を壊そうなんて思ってないよ。
……ただ、担任が大切にしてる女に興味があっただけ」
ぞくりとするほど冷たい微笑でそう言いながら、リョウは私の赤い爪にその綺麗な唇で優しくキスをした。