惑溺
 

ただ興味があったから。
だから、私の事を抱いたの……?


「そんな、ひどい……」

思わず彼を一方的に批難するように眉をひそめた私を見て、リョウが楽しげに小さく笑った。
その手を伸ばし、私の手を乱暴に掴んだ。

「ひどい?俺が?
別に先生に言うつもりなんてないし、幸せなふたりの仲を壊そうなんて思ってないよ。
……ただ、担任が大切にしてる女に興味があっただけ」


ぞくりとするほど冷たい微笑でそう言いながら、リョウは私の赤い爪にその綺麗な唇で優しくキスをした。
< 152 / 507 >

この作品をシェア

pagetop