惑溺
「俺が人の手帳を覗き読むとでも思ったか?」
思いきり疑った私を、冷たい目で見る。
「俺を、悪者扱いすんのやめろよ」
そうすごまれて、私は何も言い返せずふて腐れてうつ向いた。
すると、カーペットの下に何かが挟まっているのが見えた。
手を伸ばして見てみると、可愛らしいメモに書かれた手紙。
「付き合ってた彼女って、手紙を書くのが好きだったんだね」
気まずい空気を変えようと、私は明るく言いながらその手紙に手を伸ばす。
なんとなく目に入ってしまった手紙の内容に私は固まった。
「俺と生活リズム真逆だったからな。気が付いたら毎日置き手紙あった」
素っ気なくいい放つリョウは、手紙を手に固まったままの私を見て不思議そうに近づいてきた。
「どうした?」