大宮海の、不思議な夏の恋物語
~2章~

-第①-



奥に行けば二度と元の場所には戻れない。

そんなただならぬ雰囲気が漂っていた。
それを全身で感じた。

私は、迷わない程度に、
すぐ戻れる程度にしかこの森には
入らないつもりだった。

暗くならないうちに森を出るはずだった。

森の奥深くには行かないつもりだった。


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