近いようで、遠い存在のキミ (完)
「?」
…どういう、意味?
ハルカの言ってる意味がわからなくて、ハルカの顔を見上げる。
―――バタバタバタ…
女の子たちの足音と声が遠ざかっていく。
「…よし、行ったかな」
ハルカは呟き、私に向かって微笑んだ。
私もホッとして、口から手を離そうとした時…
ハルカの手が私の目の前にすっと伸びてきて、私の手を掴んだ。
な、なに?
私の顔から私の手を離す。
「…え、あの?」
ハルカの行動に戸惑う私。
ハルカは人差し指を自分の口元にあてる。
「これ、オレらの秘密ね」
「ひみつ…?」
何かを企むようなハルカの目を、私は見つめた。
ハルカは私の着ていたパーカーのフードを私の頭にかぶせる。
「わ」
そして、そのまま私の頭を持ち上げるようにして、私の顔をぐいっと上に向かせた。
「ひゃ…んんっ!?」