近いようで、遠い存在のキミ (完)
「あっヤバ!とりあえず、こっち!」
私はハルカの腕を掴んで、走り出す。
少し入った所に、私がよく休憩に使う場所がある。
階段の陰になっている空間で、道からは死角になっている場所だ。
二人入るには少し狭いけど、今はそうも言ってられない。
「この奥。入って」
先にハルカを入れる。
私もつい、入る。
やっぱ狭いかな…。
ハルカの身長にはそこは低すぎるみたいで、少し屈む形になっている。
それに…ハルカの身体とすぐに触れてしまいそうで…緊張する。