お嬢と使用人
そして私の誕生日。
少しの荷物を持っておばあちゃんちに引っ越してきた。
一人には広めな部屋に、綺麗な勉強机と可愛いドレッサー。
どれだけ入るんだ、っていうくらいのクローゼットに大きなベッドまである。
……私のために用意されたらしい。
ただただポカンとしていたら、おばあちゃんが肩をたたいた。
振り向くと、その後ろには男の人が。
「汐里ちゃん、この方が佐藤将大さん。
21歳の大学四回生で、あなたの婚約者よ」
「はぁ……」
その人は背が高くて、まぁ俗に言うイケメン?の部類だと思う。
私は別にタイプじゃないけど、彼の少しボーッとした感じがなんだか好きだ。
それが第一印象。
「前にお世話してもらってた佐藤さん、覚えてるでしょう?
あの方の、お孫さん」
佐藤さんはよく覚えている。
確かおじいちゃんの古い友人で、この家で働いてたっけ。
そういえば、小さい頃はよく遊んでもらってたなぁ……。