お嬢と使用人
「ごはんもいーですけど……
将大……くんは、私と婚約なんかしてよかったんですか?」
そう、それだ。
今回の一番の問題点。
年下の私が言うのもなんだけど、
21の身空で知らない女(じゃないのかもしれないけど)と結婚が決まってる、なんて。
財産目当て……とかで易々と近づけるような家じゃないのを私は知っているし、
じゃあ、なんでだ?
「気になる?」
「気になるとかそういう問題じゃなくて……
将大くんとこにも、おじいちゃんからの遺言があったんですか?」
「まぁ、そういうことだね」
「だからって……」
そんな馬鹿正直に言いなりになることもなかったのに。
…………って、
それは私も同じか。