ランデヴー II
だが私が目を奪われたのは、彼を見付けてしまったからだけではない。


隣に当然いると思われていた前田さんが、そこにはいなかった。


代わりに、別の女性が楽しげに肩を並べている。



その弾けるような笑顔をした小柄で可愛い女性には、見覚えがあった。


どの部署かは思い出せないが、社内の人間であることは確かだ。



私は楽しげに歩く2人の姿を、呆然と目で追った。


前田さんとはどうなっているのだろう。


もしかして、別れてしまったのだろうか。



彼女は新しい恋人?


クリスマスに一緒にいるのだから、もしかしたらそうなのかもしれない。


2人の姿は、ものすごく親密そうに見えた。



私はいつまでも2人が消えた曲がり角を、ずっと見つめていた。


取り留めのないもやもやとした思いが、心から離れない。
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