ランデヴー II
そんな私を見て、賢治はふっと眉をひそめた。



「お前さ、家族と仲悪い訳?」


そう問われ、ドキッとした。


賢治の言葉は、ストレートに確信を突く。



「……うん、まぁ……」


小さく頷いたまま何も話そうとしない私に、賢治は溜息を1つ落とした。



「まぁ言いたくないなら別にいいけど。でも子供のこと心配しない親なんていないだろうし、たまには顔見せに帰れよ?」


「んー、そのうち、ね……」


しばらくの間賢治の視線を感じつつも、私は気にせずに蕎麦をすすり続けた。



確かに一般的に、親は子供を大切に思うものだ。


だが、私の両親にそこまでの気持ちはないと思う。


小さいときからずっと、あの家に私の居場所なんてなかった。



それはきっと今も変わらないし、会って嫌な思いをするくらいなら離れて暮らした方が良いのだ。


私にとって家族は、一緒にいたい存在ではないのだから。
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