ランデヴー II
賢治がチュッと音を立てて唇を離すと、息の上がった2人の吐息が混ざり合う。


その今にも触れそうな距離で、賢治は濡れた唇を開いて囁くように言った。



「もう1回、したい……」


誘惑するような2つの目をぼーっと見つめながら、私はコクリと頷く。



そう、もう考えないようにするのが1番なのだ。


気にしないように、何もなかったように。


ストレスを感じると、人は余裕がなくなる。


そうはなりたくなかった。



するすると降りて行く賢治の手に淫らな声を上げながら、私は考えることを放棄した。


というよりも、何も考えられなくなったと言った方が正しいか……。


ただ賢治の存在に身体中を支配され、生み出される甘い熱に呑み込まれていった。
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