ランデヴー II
「あぁ、似てきたって言うか……ゆかりってさ、語尾をスローにすることあるだろ? そういうとことか、微妙な抑揚の付け方とか? 上手く言えねぇけど……時々あれ? って思うことが増えた気がする」


賢治までそう言うのだから、私の気のせいではないのだろう。



私はここ最近連日吐き続けている溜息を、再び深く吐き出した。


賢治はもそもそと半身を起き上がらせ、「そんな顔すんなよ……」と言いながら私の額と頬に慰めるように唇で触れる。



「まぁ……言えない以上気にしないようにするしかないな。大丈夫だよ、お前自身が変わる訳じゃないし、わかる奴にはわかってるから」


「うん……」



確かにそうだ。


どんなに似ていようと、間違えられたとしても、私が私のままでいればいいだけの話だ。


変わることなく自分を持ち続けていれば、それでいい。



小さく頷く私の顎を少し上向け、賢治は甘い口づけを落とした。


気付くと両手をベッドに突き、既に私の上にのしかかっている。



だんだんと欲情をかき立てるように舌を絡める賢治の体に、私は腕を回してしがみついた。


1度静まった熱を再び呼び起こされ、私は「はっ、ん……」と喘ぎながら長いキスに夢中になっていく。


それは少しずつ思考を溶かし、頭の中から紗英ちゃんの存在を追い出していくようだった。
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