ランデヴー II
最近では私が身に着けている時計と同じものを購入したらしく、「見て見て、お揃いにしたの!」と無邪気に笑いかけてきた。


そこには悪意が全く感じられず、だからこそ私は彼女を拒否することができない。



そう……紗英ちゃんは、私に好意を抱いている。


もうこれは自惚れでもなんでもなく、確信とも言える。


彼女の口からは、『お揃い』『同じ』『一緒』……など、私に対して何度もこんな言葉が発せられた。



それだけではない。


彼女はトイレや休憩、はたまた会議室への移動の時にまで私のことを誘ってきた。


私が断ると、彼女はとても悲しそうな顔をしてしょんぼりと肩を落とすのだ。


そんな姿を見ると、私は何とも言えない気持ちになった。



確かに私は彼女と仲良く話ができたら、と思っていた。


でもそれは全てお揃いで双子のように過ごすとか、そういう学生の頃のようなノリを求めていた訳ではない。


そもそも私は学生の頃でさえ、そこまでべったりした関係を友人と築いたことはなかった。


適度な距離を保ちつつもお互い楽しみながら仕事ができたら……そう思っていただけなのに。



それは私の我が儘なのだろうか……。
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