ランデヴー II
少し考え込む私に、紗英ちゃんは話し続ける。



「ゆかりちゃん……。あの日、私に秘密打ち明けてくれたでしょう?」


「え……秘密……?」


「うん、守山さんと付き合ってる、って……。そんな大事なこと打ち明けてくれて、本当に嬉しかった。秘密を共有するような友達、ゆかりちゃんが初めてだったから。私もゆかりちゃんと並んで恥ずかしくないような素敵な女性になりたいって……そう思ったんだ」


「紗英ちゃん……」


「ゆかりちゃん、これからも私の親友でいてね。いっぱい相談に乗って欲しいし、ゆかりちゃんも相談して欲しいな」


親友……その単語を出され、私はいたたまれない気持ちだった。


胸が針で刺されたように、チクリと痛む。


少し恥ずかしそうにしながら俯き頬を染める紗英ちゃんを見て、本当に酷いのは私の方なんじゃないかと……そう思った。



確かに私はいつまでも打ち解ける気配のなかった頃、紗英ちゃんと仲良くできたら……そう思っていた。


でもそれは会社内の話で、親友だとかそこまで考えていた訳ではない。


もちろんだんだんと打ち解けていって気が合えばそうなるかもしれないが……気が合わなければ表面上だけの付き合いになるだろう。


会社での人間関係なんて、大抵はそんなものだ。
< 179 / 408 >

この作品をシェア

pagetop