ランデヴー II
そう感じた私は、俯いたままの倉橋君に再び問いかけた。



「他に……何か言ったんじゃない?」


「……え?」


倉橋君はぼんやりと視線を合わせると、首をかしげる。


そんな彼に、私は更に疑問を重ねた。



「何か他にも今村さんを傷付けるようなこと、言ったんじゃないの?」


「傷付けるようなこと、ですか?」


「そう。例えば……私も関わるようなこととか……」


探るように倉橋君を見つめると、何故か彼はスッと目を逸らして口ごもった。


その口を閉ざしたまま、開こうとはしない。



「あの……倉橋君?」


「……言いたくないです」


「は?」


倉橋君の答えに、一瞬ぽかんとする。


まさかそう来るとは思っていなかったからだ。



「俺と今村さんの会話を全て坂下さんに伝える必要、ありますか?」


伏目がちに、だがきっぱりと言い放つ倉橋君に、私は困惑するしかない。
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