ランデヴー II
でも別の人への痛い程に切ない気持ちに気付いてしまったら……例え仕事でも、その人と共に過ごす時間が増えてしまったら。


自分の選択が間違いだったのではないのかと、思わずにはいられないのだ。



そして1番最低なのは、結局何も選択しようともしない今の自分。


後悔、未練……そんな思いをたらたらと胸の中に抱きながらも、現状を維持しようと考えている自分自身が嫌で嫌でたまらない。



だって……例えば賢治と別れて倉橋君への想いを貫いたところで、それが成就する保証はどこにもない。


またあの時のように、再び苦しむことになるだけだ。



好きで好きでたまらないのに、どうにもできないあの気持ち。


あんな風に寂しいのも傷つくのも泣くのも、もう……嫌。



例え最低だと罵られても、望みのない恋を続けるよりも、すぐそこにある幸せを掴む方が余程現実的だ。


そう考えることは、罪なのだろうか。



元来そこまで結婚願望が強い訳ではない。


だがやはりいつかは結婚したいと、漠然と考えてはいる。


もうすぐ26歳になるそんな私にとって、今目の前にぶら下がっている甘い誘惑を無視することなんてできない気がした。
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