ランデヴー II
「倉橋、くん……?」
暗がりに目を懲らす私を、彼は静かにベッドの上に降ろした。
覚めきらない目をこすりながら、ぼんやりと彼を見上げる。
「起こしてしまってすみません。坂下さん、ベッドに寝て下さい」
そう言い置いて私の傍を離れていく倉橋君の腕を、思わず掴んだ。
足を止めて振り返る倉橋君と、じっと見つめ合う。
暗闇に目が慣れてくると、倉橋君の姿がはっきりと見えてくる。
すると昨日と同じニットを着ていることに気付き、私の中にだんだんと記憶が蘇ってきた。
彼は散々酔っ払って、この家に着いてすぐに眠ってしまったのだと。
きっと起きたら私がソファーで寝ていたから、場所を代わろうと思ったのだろう。
別に気にしなくていいのに……。
「今、何時……?」
本当はもっと他に言いたいことはあるはずなのに、寝起きのせいか頭が上手く働かない。
私の言葉を待つ倉橋君に何を話せばいいのか迷った挙げ句、そんな言葉しか出なかった。
暗がりに目を懲らす私を、彼は静かにベッドの上に降ろした。
覚めきらない目をこすりながら、ぼんやりと彼を見上げる。
「起こしてしまってすみません。坂下さん、ベッドに寝て下さい」
そう言い置いて私の傍を離れていく倉橋君の腕を、思わず掴んだ。
足を止めて振り返る倉橋君と、じっと見つめ合う。
暗闇に目が慣れてくると、倉橋君の姿がはっきりと見えてくる。
すると昨日と同じニットを着ていることに気付き、私の中にだんだんと記憶が蘇ってきた。
彼は散々酔っ払って、この家に着いてすぐに眠ってしまったのだと。
きっと起きたら私がソファーで寝ていたから、場所を代わろうと思ったのだろう。
別に気にしなくていいのに……。
「今、何時……?」
本当はもっと他に言いたいことはあるはずなのに、寝起きのせいか頭が上手く働かない。
私の言葉を待つ倉橋君に何を話せばいいのか迷った挙げ句、そんな言葉しか出なかった。