ランデヴー II
最初からこんな結末を望んでいた訳じゃない。


上手くいくと思っていた。


きっと幸せになれる、そう信じて始めた恋だったのに。


そうやって安易に選択した私の行動のせいで、彼を傷付けた。



やっぱり人を傷付けることは、辛い。


胸の中を渦巻くのは、自責の念だけだ。



だが――こうなって、私は初めて気付いた。


やっぱり私にとって、賢治は大切な人だったと。


そしてそれは愛や恋ではなく……友情だったのかもしれない。



恋になりきれない中途半端な気持ちで賢治と向き合ってしまった自分を、私はきっとずっと責め続けるだろう。


もう友達には戻れない賢治に、心の中で何度も謝り続けた。
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