ランデヴー II
倉橋君にそう言われて少し考えてみると、思い当たることがあった。


確か榊原さんが、先月その件で倉橋君と先方を交えて打ち合わせをしていた。


そもそも窓口はうちの部署だから、請求書も榊原さん宛に来ているはずだろう。



でも残念ながら、榊原さんからは何も言われてなかった。


だいたい経理も、何故こんな時間になって言ってくるのだろう。


もっと早くに問い合わせてくれればいいものを。



「ごめん、何も聞いてない」


「ですよね……」


非常に落胆した声から、肩を落とす倉橋君の姿が目に浮かぶようだ。



私はチラリと榊原さんのデスクに目を向けた。


書類が乱雑に蓄積されたデスクは、お世辞にも綺麗とは言い難い。


この中から目的の物を探すのは、きっと困難だろう。



と言うことは、今私がすべきことはただ1つ。
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