ランデヴー II
確かに。


今の説明で、倉橋君と北野さんがそういう関係ではないということはわかった。


でも……それでも……。



「会社であんなことすること、なくない?」


つい負け惜しみのようなことを言ってしまう。



何だか悔しい。


勝手に勘違いして勝手に泣いてしまった自分が、恥ずかしい。



「そうですよね。坂下さんに誤解させてしまって……それはもう嫌って程に反省しました。でも北野さんはマーケティング部でお世話になった先輩だし、泣きながら報告してくれる姿を見たら俺も嬉しくなって」


項垂れながらそう言われ、でも何だかわかる気がした。



私も同じ立場だったら、友人の幸せを一緒に喜ぶだろう。


と同時に、倉橋君が悩んでいる人を放っておけない人で良かったと思う。



……なんて、一転して今はそんな風に思っている自分がおかしくて、思わずクスリと笑みがこぼれた。
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