ランデヴー II
「――と、山崎さん」


「……え?」


更に続いたその言葉に、私は慌てて顔を上げた。


倉橋君はきょとんとした顔で私を見ている。



「山崎、さん……?」


「はい。俺の大学の先輩で、北野さんの旦那さんです。俺がクリスマス1人だって言ったら、ケーキ食べにおいでって言ってくれて……」


そう……だ。


私は馬鹿だ。



北野さんが結婚していると聞いた時点で気付くべきだった。


既婚者が自分の旦那を差し置いて、会社の後輩と2人きりでクリスマスを過ごす訳がないじゃないか。



旦那さんも一緒だったに決まってるのに。


大学の先輩だって、さっきも言ってたのに。



あぁ、やっぱり勘違いだった。


倉橋君のことを信じ切れずにいた自分を、恥ずかしく思う。
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