ランデヴー II
「坂下さんは……守山さんと、一緒だったんですよね……」


不意にポツリと静かに落ちた声に、ビクッと胸が震える。



やるせなさそうに俯く倉橋君を見ると、私こそ倉橋君に対して誠実ではなかったと感じずにはいられなかった。


倉橋君を好きだと思いながら、裏切るような行為を重ねてきたのだから。


それは、賢治に対しても同じだ。



「賢治とは……別れたから……」


「……え?」


驚いたように顔を上げる倉橋君と目を合わせていられなくて、そっと視線を外す。



「倉橋君がうちに泊まった日……もうこれ以上賢治に隠せないって思った。倉橋君を好きなこと……自分にも、素直になろうって……」


拙く言葉を紡げば、それはまるで私の懺悔のようになる。


1つ1つ考えながら口にするも、上手く言えたかどうかはわからなかった。



でも私の中でまだ賢治とのことは、きちんと整理がついていないように思える。


あれから賢治と話をすることはなく、もう他人のようにしか振る舞えないという事実が私の心を深く深く傷付けていた。
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