ランデヴー II
チュッと唇にキスをすると、驚いたような顔が返って来る。


そしてそれはすぐに綻んで、次の瞬間には息もできない程の口づけが待っていた。



背筋を撫でる手と髪をまさぐる指が、より一層の陶酔感を私に与える。


時に優しく時に乱暴に舌を吸われ、唇をなぞる舌の感覚に体の奥がキュンと震えた。



「坂下さん……。1つ、いいですか?」


キスの合間に喘ぐように、倉橋君が言う。



「何……?」


「俺……会社、戻らないと……」


「……え!?」


驚く私をからかうようにぺろりと唇を舐め上げクスリと笑って見せる倉橋君は、夜の闇と街灯の光の中でとても妖艶だ。



「続きはまた今度」


そう耳元で吐息と共に囁かれ、私は耳まで赤くなりながら「馬鹿……!」と小さく返すのだった。
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