ランデヴー II





翌日。


会社へ行くと、榊原さんに「昨日は有難うな」と言われた。


だが私的にはそのお陰で倉橋君に素直な気持ちを伝えるきっかけをもらえたようなもので、逆に感謝したいくらいだったりする。



それでも一応有り難いと思ってくれているのなら、それはそれで嬉しいと思った。


役に立てて良かった、とも。



賢治とはあれからわだかまりが深いままに、仕事の話は事務的に交わしていた。


お互い打ち解けることは全くなく、ただ淡々と納期についてのやり取りをするだけ。



今はそうする以外に、私には何もできない。


どうすればいいのかも、わからなかった。



私が紗英ちゃんからの食事の誘いを受けたのは、そんなまだまだ忙しい4月の頭が無事過ぎ去り、比較的業務が落ち着いてきた頃のことだった。
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