俺と馬鹿と新婚生活?!
「綾乃…」
何度目か分からない呼び掛けをする
すると…
「………た…?」
静かな部屋に確かに聞こえた俺じゃない声…
「綾乃?!」
慌てて綾乃の顔を見ると、うっすら目を開けていた
「…颯…太…?」
「綾乃、綾乃…大丈夫か?痛い所とかないか?」
綾乃が意識を取り戻して、俺の名前を呼んでくれた
それだけで、不安がぶっ飛び安心する
「今…綾乃…って…言った?」
あ、そうか
綾乃は知らないもんね、俺が"綾香"を見破ったこと
「うん、綾乃。俺が愛してるのは綾香じゃない。綾香のフリをしていた…綾乃」
俺は、綾乃に恋をしたんだ
たぶん、綾香さんじゃ好きにはなっていない
綾乃だから俺は惹かれたんだ