ハーレム ブラッド2
「決まってるじゃない。

女同士の熾烈な争いよ。」

瑠奈が言う


「何を言ってるのよ…私たちは今までも女同士の争いをやってきたわよ?」

朱鳥が言う


「だから…子どもなのよ。


今までは互いが堂々と戦ってたかも知れないけど、結婚したらそりゃ泥沼の戦いよ?


卑怯の限りを尽くし、相手を蹴落として、そして幸大君を奪わないとね。」

瑠奈が楽しそうに言う


「奪うってそんな…」

優衣が言う


「あら…先生なんかとくに遠慮をしてたでしょ?」

ダリシスが言う


「遠慮なんて…私…」


「他にも、沙羅ちゃんは周りの人よりも年下だからって気遣ったり、朱鳥も幸大君を危険に晒して少しは負い目を感じてたり…


必ずどこかで幸大君や他の人に遠慮してるのよ。」

瑠奈が言う


「まぁ…なきにしもあらずですね。


私も唯一幸大さんと同居する手前、幸大さんとの交流に多少の加減もしていましたし。」

咲子が言う


「でも、結婚したら幸大君も皆も…


男と女でしかないのよ?


だから…遠慮も無用、自分のありったけの愛を他人を気にしないでぶつけないと。」

瑠奈がジェスチャーを加えながら嬉々として語る



「でも、やっぱり皆さんとは仲良くしたいですし…」

沙羅が言う


「仲良くするなとは言ってないでしょ?

ただ、優先するのは友達付き合いじゃなくて幸大君との男と女としての有り様。」

ダリシスが言う


「そう言われても…」

沙羅が戸惑う


「あのね、沙羅ちゃん。

沙羅ちゃんは幸大君のことを好き?」

瑠奈が言う

「はい、好きです。」


「なら、幸大君を奪わないと。」

「そんな…」

「いい?

好きな人と自分のことだけを最優先、且つ全力で考えて、


他の女のこととか周りのことも気にしないの。


好きな人と自分のことだけを考えて行動するのが、


全力で愛するってことなのよ?」


瑠奈が沙羅の頭を撫でる


「あなたたちも…結婚する前に不安がってたり、弱気になってたら…

ここにいる人以外が幸大君を奪うかも知れないわよ?」

ダリシスが言う


「そんなわけ…あるわね…」

姫野が言いかけてから落胆する


「先日は瑞希とも危うかったからな。」

華乃が言う


「そういうわけで…皆は胸を張りなさい!!


結婚式で誰が一番キレイか…ってのも勝負よ?



それぞれ幸大君の目も心も奪うように最高の笑顔でも見せてやりなさい!」

瑠奈がみんなを激励した
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