ハーレム ブラッド2
学校


「マジかよ…」

幸大は携帯を閉じて溜め息を吐く。

「朝から溜め息とは…幸せが逃げてしまうぞ?」

華乃が幸大の近くへとやって来た。

「もう大丈夫なのか?」

「ああ。

君の看病のおかげで見ての通り、元気だ。」

華乃が言う。

「それはよかったわ。」

朱鳥が言う。

「あ…ノートをありがとう。

綺麗なノートで見やすかった。」

華乃が朱鳥にノートを返す。

「アゲハも風邪は治ったの?」

朱鳥が言う。

「幸大様が薬を飲ませてくれたのが効果的だったわ。」

アゲハが人差し指で唇をなぞりながら言う。

「…。」

朱鳥が幸大に白けた眼差しを送る。

「君は病人に何をしていたんだか…」

華乃が呆れながら言う。


「あれはアゲハが薬を飲まないから仕方なく…」


「く、口移ししたんですか!?」

後ろから沙羅が言う。

「沙羅…、遅かったな。」

幸大が言う。

「咲子の様子を見てから来たんだ。」

マリアが言う。

「ところで、君は先ほどなぜ溜め息を?」

華乃が言う。


「メールが二通。

姫野とクーニャが風邪だそうだ。」


幸大がまた溜め息を吐いた。


「咲子だけじゃなくてあの二人もなの!?」

朱鳥が言う。

「全国的に風邪が流行しているそうだ。」

華乃が言う。

「あとで御見舞いに行かないと…」

沙羅が言う。

「風邪をひくなんてやわな奴等だな。」

マリアが言う。

「幸大様の邪魔者が消えたわね。」

アゲハが軽く微笑んだ。
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