龍王と純情お姫様。
だけど、次々に飛んでくる拳。


早いっ


強くなってやがる…


「だが、まだまだだな!
斗真!」


飛んできた拳を掴み、
逆に拳をとばす。



ボコっ



俺の拳をまともにうけた
斗真は腹を抱えてうずくまる。


「グハっっ。」


「どうした?もう終わりかよ…あ?」


怒りに狂った俺は、
無理矢理立たせる。


そして、ひたすら殴った。

「日向!もう辞めておけ…斗真が死ぬぜ。」



寛人に言われて、我に帰る。



「あぁ…」



殴るのを辞めると、
ぐったり床に転がった。


そして、弱々しく口を開いた。



「ヒナタ…。」


「あ?」


「お前には叶わねえみたいだな…やっぱり…」


「斗真…。
いい加減さ、ひとりでつっぱしんの辞めろよ。」


「あ?」


「クレハは死んでもやんねえけど…
お前には違う居場所あんじゃねえのか?」



俺は何いってんだろ。



自分でもよくわかんねえけど…




クレハに手を出したコイツが許せねえのに…




散々敵視してきたのに…




「気が向いたら俺んとこ来い。寛人いいよな?」


「日向がいいならいいんじゃね?」



斗真がほっとけなくなった…





「バッカじゃねーの…」





斗真の顔はぐちゃぐちゃだったけど…



笑ってるよーに見えた




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