生意気なハケン君
会社では常にパンツスーツスタイルで、部下からは憧れの存在。




仕事も完璧にこなし、バリバリのキャリアウーマンに見えるが、



蓋を開けて見ると四十手前で結婚に逃げ遅れ、

部屋には帰って寝るだけの生活を送る寂しい女の姿があった。






「んんっ……、あたま…痛い……」





家の中に入るやいなや、

ズキズキと痛む頭と苦しい胸やけが急に体を襲ってきた。





私はおぼつかない足取りで一Kの部屋を歩くと、


フローリングの洋室にあるベッドに勢いよく倒れ込んだ。







「課長、大丈夫ですか?」

「お水……、くれる…?」





仰向けに寝転び眉間に皺を寄せ、
目を閉じて額に手を乗せる私。




いかにも辛そうな表情に、

神城は慌てて台所へ向かい、蛇口からコップに水を注ぎそのまま私の元へ。






持ってきましたよと呼ぶ声が、遠くに聞こえる。



家に帰ってきた安心感と、

ベッドの上にいる心地良さから一気に睡魔が訪れてきたのだ。






「……課長?」






神城がすぐ側でそっと呟く頃には、既に夢の中。





そんな素の私の姿を見て、

神城は困った様子でフッと笑った。
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