生意気なハケン君
冷たい水が喉を通り、

音を鳴らしながら飲み込む。





「はぁっ…、ん……」



互いの口が離れると、私は小さく声を出しながら体をゴロンと横向きにして、再び眠りについた。






神城はコップを近くのテーブルに置いたままの私に毛布をかけて、


音をたてずそっと立ち上がった。









「……おやすみ。椿」









幸せそうな顔をして眠る私に優しく言い残すと、




そのまま部屋を後にした。













「――神城君!」







私の呼び止める声に、

首からネームカードをぶさらげ、
いつも通りラフな格好をした神城が足止め、後ろへ振り返った。





「……課長、おはようございます。具合はどうです?」

「まだ体がダルいけど、何とか大丈夫よ」





苦笑いした私にそれはよかったと、神城は笑い返した。




その笑みに自然と胸が大きく飛び跳ねる。





まだアルコールが抜けてないのかしら……。








「……同僚に聞いたわ。昨日家まで送ってくれたんですってね。正直何も覚えてなくて……」






社内の廊下はシーンと静まり返り、


その場には私と神城しかおらず、社員は皆担当部署で仕事中だ。
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