彼はくせっ毛君
キーンコーンカーンコーン…
放課後のチャイムが鳴り教室では合コンに行くメンバーがソワソワし始めた。
「カッコイイ人いるかなー」
「ねぇ!ちょっとマスカラ貸してくんない?」
「ヤバイ!!今年の夏はイケるかもー」
…と言っても合コンに行くのはウチの学校から私を含めて三人。
桐高校から三人。
その三人の中に“くせっ毛君”がいるのかなんてわからない。
よく考えたらくせっ毛君に会える確率は低いんだ…。
………でもこれが桐高と触れるチャンス!!
私もいつもはあまりしない化粧も今日は気合いを入れた。
他の二人よりは…濃くないけど…
ていうか本当に気合い入ってるな、あみとリカ。
リカは、見た目も中身もさわやかギャル。私とあみといつも一緒で合コンヲタク。
合コンは毎回自分で主催するくらいの大好きっぷり。
今回の桐高との合コンもリカが主催した。
それに食いついたのは、私が桐高のくせっ毛君の事が好きなのを唯一知っているあみ。
私の為に誘ってくれたんだね。ありがとう。
「よっしゃ!完璧っ行こうー美凪、あみ」
「「うん!!」」
どうか…くせっ毛君もいますように!!!