さくら色 〜好きです、先輩〜

「そっか、昨日の台風で校庭グチャグチャだもんな。それで自主練か」

「急に暇になっちゃったので」

「じゃあ、ちょっと付き合えよ」


そう言って、少し広いスペースに移動しボールを私に渡す先輩。


「ウォーミングアップ。今日暇なんだろ?」

「はい!」

「ははは!朝から元気なんだな」


3日振りの先輩の笑顔。

心臓がドキドキと煩く早鐘を打つ。


自分がどんどん欲張りになってくのがわかる。

毎日その笑顔を見たいって思う。

…私にだけ、笑ってくれればいいのにって思う。

誰にも渡したくないって…そう思うんだ。


それから皆でミニゲームをして、亮太君の土曜日の宣言通りたくさん扱かれた。

体力には自信があったけど…

皆の運動量に全くついていけなくて、逸早く離脱したのは言うまでもない。




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