さくら色 〜好きです、先輩〜
「私はどんな事があっても人を疑って生きて行くなんてしたくありません。どんなに傷付けられても、私は一人じゃ生きていけないから。私が傷付いたり迷ったりした時、手を差し伸べてくれる人がいます。親とか親友とか、時には見知らぬ人も」
私はお父さん、お母さん、里美、恭介、那奈…たくさんの人の顔を思い出した。
「例え100人が敵でも一人だけ味方がいればいい。それだけで私は強くなれます」
小学生の頃、私はいじめられたことがある。
ある三人グループが別の子をいじめているのは一目瞭然だった。
理由は三人グループの一人の好きな人とその子が仲良しだったから。
いじめは無視から始まり、ありもしない噂を流し、時には上靴に土を入れたり机の中にゴミを入れたり。
次第に周りの子もその子を無視し始めた。
その子と仲良くすれば次は自分がやられる。
皆それが怖かったから…
私は完全に孤立したその子に話し掛けた。
“一緒に帰ろう”
次の日、学校に行ったら上靴が無くなり女子からは無視された。
標的が私になって今までいじめられてた子はいじめられなくなった。
そしてその子も私から離れて行った。