さくら色 〜好きです、先輩〜
「葵、行きなよ!次の試合までに先輩に言いたいことあるんでしょ?」
「…でも、迷惑かも…しれないし…」
もし…もし、二人がいい雰囲気になってたら?
私が行ったら邪魔じゃない?
彼女でもない、私はただの後輩なのに…
「もしかして、誰かが告白したぐらいで弱気になってる?」
「……っ…」
里美の鋭い洞察力に言葉が出ない。
「また葵は勝負もしないで逃げ出すの?葵の先輩に対する気持ちってそんなものだったの?」
勝負もしないで…逃げ出す…?
中学の頃のように、私はまた後悔するの?
…ううん、そんなの嫌!
もう逃げたくない!
「…うん!行ってくる!」
里美は「それでこそ葵!」と言って満面の笑みで笑った。