さくら色 〜好きです、先輩〜
「私、避けられてるのかな。一昨日のことやっぱりうざかったのかも」
「そんなことないよ。たまたまだって。それに葵が言ったこと、私は間違ってないと思うよ」
そう言って、那奈は私の肩にポンッと手を置いた。
里美も那奈も間違ってないって言ってくれるけど。
こんなに探してるのに会えないと、やっぱり避けられてるんじゃないかって不安になる。
本当呆れるぐらい欲張りになってるんだな、私。
「あーおーいー!!」
「里美?そんな急いでどうしたの?」
「あっぢ、に…コホコホ…さぐらいぜ…ゴッホ…」
全速力で走ってきたせいか、息が乱れ苦しそうな里美。
「落ち着いて!息整えてからでいいから」
そう言って背中を摩ると、里美はその手をパシッと掴んだ。
「そんな悠長にしてる場合じゃないよ!コッホコホ…ぜ、んぱいが向こうにいたよ!こ、告白されてる!」
「「告白!?」」
那奈と私の声がぴったりと被り、周りにいた人が何事かと好奇な眼差しを向けてくる。
だけど、今は恥ずかしいとかそんなこと気にしてる余裕はなくて。
頭の中を一気に黒いモヤが覆っていく。