さくら色 〜好きです、先輩〜
「今日、部活見学行くの?」
「私は見学というか、先輩に呼ばれててさ」
今朝、若菜先輩に会うだけ会ってみるって渋々了承したばっかなのに…
さっき恭介から『13時、校庭で待ってる』という簡潔なメールが届いた。
最初っから無理矢理にでも会わせる予定だったんだな。
私に文句を言われないようにすぐ教室から出て行った恭介。
ったく、今朝少しだけ可哀想かなって思って損した気分だよ。
教室の時計を見るとまだ12時にもなっていない。
まだ時間あるし、里美は予備校の申し込みがあるからすぐ帰ったはずだし…
どうやって時間潰そう。
「じゃあ一緒にお昼食べない?私は陸上部見に行くんだけど、まだ時間あるから」
「いいの⁉実はどう時間潰すか考えてたとこなんだ」
「ふふふ、私もなの。そうだ!天気良いし外で食べようよ。確か桜の下にベンチあったよね」
那奈の提案で外で食べることにした私たちは早速購買でご飯を買い、昇降口に向かった。