さくら色 〜好きです、先輩〜
小野田と離れるとクラスの皆が集まってきて「無理すんなよ」って声を掛けてくれた。
仲間一人一人の目をしっかりと見る。
みんな嘘偽りのない綺麗な瞳をしていた。
今、転校してきて初めて皆としっかり目を合わせた気がする。
“先輩は一人じゃないんですよ”
“先輩にはたくさん仲間がいるじゃないですか”
西原さんの言葉が頭を過った。
本当にそうだな…
俺が今まで目を閉ざして、何も見ないようにしてきただけなんだ。
目をしっかりと開ければ、小野田に萩原、他の皆、こんなにも多くの人が親身になって心配してくれてるのに。
俺達はサッカー部の副部長の柏木を中心に円陣を組んだ。
「よし!残り5分、決めるぞ!全部俺に回せ。俺がゴール近くまで必ず持ってってやる。奏人は真っ先に上がるんだ」
「え?俺?」
「お前なら出来る!同中の俺が言うんだから間違いない。いいか?絶対決めろよ」
皆が俺を見て頷く。
俺の隣りで肩を組んでる仲間の腕の力がより一層強くなった。
「…わかった」
「よっしゃ!行くぞ!」
俺達は真っ青な空の下、汗だくになりながら最後までボールを追いかけた。
*奏人side*終*