さくら色 〜好きです、先輩〜
「奏人!たかが球技大会だろ?学校の行事でサッカー人生終わらすのか?」
「今の俺のサッカー人生なんてもう終わってるも同然だ。怖いものなんて何もない」
俺の夢はプロのサッカー選手。
あの青いユニフォームを着て、ワールドカップに出場すること。
だけど今の俺にはプロになることすら難しい。
夢も希望も、あの日崩れ去ったんだ。
俺にはもう、崩れるものなんて何もない。
「……っ」
ふと名前を呼ばれた気がして観客席を見渡す。
すると、西原さんが今にも泣きそうな顔をしてこっちをジッと見ていた。
「小野田…心配してくれるのは感謝してる。だけど今日は何も聞かないで俺の好きなようにさせてくれ」
そうだ…
今の俺には失って怖いものはない。
彼女以外は。
俺の真っ暗な闇を…
俺の未来を照らす暖かい光。
この光だけは俺は何が何でも守り通す。
もう…失いたくないんだ…
「……わかった。ただし、本当に無理だと思ったら強制退場させるからな」
「ああ。サンキュ」