さくら色 〜好きです、先輩〜
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保健室を出た私と藤田先生は備品室へ向かった。
「まさかとは思うんですけど、二人っきりにするために私を保健室から連れ出したんですか?私に目で合図してたように見えたんですけど」
「ふふ。よく気付いてくれたわね」
やっぱり、でもどうして藤田先生がそんなこと?
先生は私の心の中を読み取ったように話し始めた。
「小林先生はね、私の大学の同級生なのよ。それで色々と相談に乗ってたの」
「相談?」
「ええ。昔、妹のように思っていた子と再会してその子がとても可愛くなってたから驚いたとかその子と気まずい雰囲気になってしまったとかね」
「え!?それって…」
小林先生も那奈のこと意識してるって事?
「そうよ。あなたの思っている通り。でもね、私達は教師なの。生徒に対するその先の想いを言葉にしてはいけない。だから苦しんでるの」
教師と生徒…
その壁が小林先生の進路を塞いでるんだ。