さくら色 〜好きです、先輩〜
昨日の夕方まで先輩と二人でいることが嬉しくて幸せだったのに…
今はそう思えない。
告白する前に振られた、そんな感じ。
「何個持ってくの?」
「…へ?あ、えっと5個です」
急に声を掛けられてドキッとした。
不意打ちはホント心臓に悪い…
「私取りますから下で受け取ってください」
私は先輩の有無を聞かず近くにあった脚立を移動して登り始めた。
とにかく早くこの狭い密室から出たい。
「大丈夫?俺登ろうか?」
「いえ、大丈夫です」
「意外と高いし、危ないから気を付けてな?」
先輩は脚立を抑えながら心配そうな顔をしている。
先輩…
私の事なんとも思ってないのなら、そんな優しい声で話さないで下さい。