さくら色 〜好きです、先輩〜
私はボールが6個分入ったダンボールを持ち上げた。
下で脚立を支えている先輩に声を掛ける。
「先輩、降ろしますね」
「ああ、ゆっくりでいいからな」
脚立の上から先輩にダンボールを渡そうとした、その瞬間…
先輩の手が私の手に触れた。
「…っ!!」
私は手をバッと勢いよく離した。
「うわっ!!」
「きゃー!!!」
ーーーーーードタン!ガシャーン!!
「イタタタタ…」
ゆっくりと目を開けると、薄暗い備品室には白い誇りが舞っている。
あれ…?
「…っ!」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
徐々に頭の中が鮮明になっていき、私の下敷になっている先輩に気付いた。