さくら色 〜好きです、先輩〜
「先輩!!大丈夫ですか!?」
私はすぐに先輩の上からどいて、先輩の肩を叩く。
「…っう…」
すると先輩は顔を歪ませながら目を開けて、頭を抑えながらゆっくり上半身を起こした。
「先輩…怪我はないですか?」
「ん?ああ、大丈夫。西原さんは怪我ない?」
先輩はこんな時でも私のことを心配してくれている。
私より先輩の方が痛いはずなのに…
「はい…私は先輩のお陰で大丈夫です」
「そっか。良かった…」
先輩はそう言って笑顔を見せた。
「すみませんでした…私が手を離したから」
涙が頬を伝い、床や服を濡らしていく。